中学受験の家庭教師の料金にはかなりの差があります。インターネットでざっと調べてみた限り、一番安い人では時給2000円、一番高い人では時給10000円(!)でした。あまりに安い人は不安ですし、逆にあまりに高い人も怪しいように思えてきます。

一体、適切な相場はいくらくらいでしょうか?

ここでは適切な相場を言い切ってみたいと思います。中学受験の家庭教師の適切な相場は……

時給4000円から7000円です!(派遣会社経由なら6000円から9000円)

時給4000円はなんとか仕事が出来る最低ラインの人です。中堅であれば5000円以上でしょう。7000円になるとかなり力のある人に来て欲しいところですね。これより高い人になると、個人的にはちょっと怪しい感じが出てきます。

さて、このような料金を見ると、おそらくたいていの方が高いと思うのではないでしょうか?

しかし、これには理由があります。

1.中学受験の家庭教師は専門職である

中学受験の問題は特殊です。小学校の教科書の延長ではありません(全く別物です!)。また、高校受験や大学受験の問題を簡単にしたものでもありません(やはり別物です!)。

したがって中学受験を教える人間は「中学受験の問題」に対する専門知識が必要になります。

さらに「小学生に教える」ということも特殊であると言ってよいでしょう。それなりにものが分かるようになってきた中学生や高校生と違い、人生経験が圧倒的に少なく、また言語能力も未発達な小学生に教えるということは非常に難しいことです。

これらの理由から、たとえ東大生であっても、自身に中学受験の経験が無ければ中学受験についてはほとんど教えることができないでしょう。自身に中学受験の経験があれば多少はいけるかもしれませんが、今度は小学生に教えることの難しさにぶち当たると思います。

このように、中学受験の家庭教師は「中学受験の問題」に対する専門知識と、「小学生に教える」という専門技能を併せもつ必要があります。このような人材には希少価値が出てくるため、必然的に時給は高くなります。

2.教える仕事は手間がかかる

時給4000円と聞くと1時間の仕事に対して4000円を払うように聞こえますが、実際にはそうではありません。

例えば私は塾講師をしていますが、1時間の授業をするのに1時間以上の準備が必要になります。家庭教師の場合はさすがにこれほど時間はかからないと思いますが、それでも「どの問題をやろうかな」「追加問題も用意していこう」などと考えていると、やはり授業時間の半分の時間くらいは準備にかかるのではないでしょうか。

また、受験を教える家庭教師には自己研鑽の時間も必要です。例えば過去問を解いたり、市販の参考書や問題集に目を通してみたり、といった時間です。

これらを考えると、4000円は1時間の仕事に対してではなく実際は2時間くらいの仕事に対してであることが分かるのではないでしょうか。

これはつまり、時給4000円であっても、実労働1時間あたりでは2000円だということです(安い……)。また、時給7000円であっても、実労働1時間あたりでは3500円だということです。

こう見ると、最初にあげた相場も適切な数値だと思えてくるのではないでしょうか。